医療法人形成会 当山美容形成外科

ひざの痛みのイメージイラスト
ひざの痛みのイメージイラスト

膝の痛みについて

私たちは常日頃から立ったり歩いたりを当たり前のように繰り返しています。しかしこの当たり前の動作が、ある日突然出来なくなることがあります。体重や加齢などの影響から膝の軟骨がすり減り、膝に強い痛みを生じるようになる病気「変形性膝関節症」は今や日本人の4人に1人が罹患していると言われています。

変形性膝関節症の症状

変形性膝関節症の症状として痛み・腫れ・動かしにくいといった症状があります。

正常な関節

関節を形成する骨の表面には、クッションのような役割として軟骨があります。 関節包の中にある関節液は、関節の中に栄養を与えるとともに潤滑液として働きます。

変形性膝関節症

肥満や加齢、過剰な運動の連続によって軟骨がすり減ってしまい骨への衝撃を吸収できなくなります。痛みや腫れを伴い、進行すると歩行が難しくなります。

正常な関節と変形性膝関節症のイメージイラスト

変形性膝関節症の治療方法

従来の治療方法は大きく分けると2つです。手術をするかヒアルロン酸や痛み止めなどを注射する保存療法です。保存療法であまり効果がないと次は手術しか治療方法がないのが現状です。手術は技術や機器が進化しより良い治療になってきていますが、全ての人に適応があるわけではなくリスクも検討しなくてはいけません。そのため現在第3の治療方法として再生医療に注目が集まっているのをご存知ですか?

保存療法の説明
手術療法の説明
再生医療の説明

変形性膝関節症に対する再生医療について

再生医療とは?

病気や加齢などによって身体の一部が本来の機能を失ってしまう、もしくはその能力が著しく低下してしまった場合にご自身の細胞を用いて組織を修復し再生させる治療を再生医療と言います。現在日本においては再生医療新法のもとに医師の要件・安全性・妥当性が厳しく審査され、そこで適切と認められてはじめて治療を行うことが可能になります。当院は正式なプロセスを踏み厚生労働省に第二種再生医療等提供計画を提出し、計画番号を取得した医療施設です。

脂肪由来間葉系幹細胞について

「間葉系幹細胞」は、骨、軟骨、脂肪細胞などいくつかの異なった組織や臓器に分化する能力があります。現在「間葉系幹細胞」は脂肪に最も多く含まれていることが様々な研究で分かっており、脂肪から取り出した「間葉系幹細胞」を培養し様々な病気の治療に用いることが出来るようになってきました。

当山美容形成外科では患者様から米粒2個程度の脂肪と血液を採取し、特殊な技術で5000万〜1億個程度まで患者様の幹細胞を増やします。その増やした幹細胞を様々な疾患の治療に使用することが可能です。

幹細胞と体細胞の説明図

どうして変形性膝関節症に再生医療が効果的なの?

幹細胞には「homing(ホーミング)」と言われる特殊な能力があると言われています。これは細胞自体が自分の身体の傷んだ部分を察知してそこに集積する能力のことです。損傷部位へ集まった幹細胞はその部位の細胞へ分化します。

これまで膝関節の軟骨はタイヤと一緒で、使う事ですり減ってしまい再生することはないと考えられてきました。しかし最近の研究によって軟骨自体に幹細胞が存在し、本来はすり減った分だけ軟骨自身を再生している事が分かってきました。若くて細胞自体が元気な状態であればどんどん自分自身の軟骨を再生するのですが、加齢とともに細胞の機能が衰えてくることで軟骨を再生する事が出来なくなります。

変形性膝関節症の痛みの原因は炎症だと言われています。関節においては軟骨が再生出来なくなり、その厚みが失われると骨同士が互いにぶつかり合い炎症を引き起こします。それにより痛みが生じるのです。幹細胞には炎症を抑える効果があると言われています。

再生医療はこの幹細胞の軟骨を再生させる能力と関節包や滑膜の炎症を抑える効果の相乗作用により膝関節の痛みを抑え、膝関節本来の動きを取り戻すことができる可能性が高い治療です。

軟骨の減少のイメージイラスト

当山美容形成外科の再生医療について

まずはカウンセリングへお越しください

再生医療は痛みの緩和や関節の可動域を改善させることが出来るとても良い治療ですが、残念ながら全ての方に効果が出る訳ではなく、効果に程度差があります。また変形が強い方や状態が進行してしまっている方は手術療法を受けていただいたほうが良い場合もございます。日常生活で何が困っているのか、何を目的として再生医療を受けたいのかなどお話を伺った上で治療方針をお伝えし、納得いただいた上で治療にお進み頂きたいと思っております。

専門の施設で細胞培養を行います

治療方針にご納得いただいた上で再生医療を行う場合は当院で脂肪採取と採血を行います。おへその近くに小さな穴を開けて米粒2個程度の脂肪を採取させて頂きます。所要時間は30分程度です。採取した脂肪と血液は特殊な輸送装置で東京の培養施設に送ります。そこで厳密な管理のもと1ヶ月程度かけて細胞を抽出し1億個程度に細胞を増やします。培養中は培養施設と常に連絡を取り合いながら、細胞の状態を確認し最適な状態に細胞を維持します。培養の過程に特に問題がなければ最短で28日程度で投与が可能です。

再生医療の培養イメージイラスト

治療は細胞治療だけでなく日常生活動作の改善指導も行います

私たちの長年の治療経験から変形性膝関節症の患者様のほとんどが膝に負担のかかる歩き方や立ち方をしていることに気がつきました。変形性膝関節症の主な原因は長年の立ち方や歩き方であると行っても過言ではありません。それは再生医療で痛みが良くなっても歩き方や立ち方が改善しなければ膝に負担がかかってしまいまた痛みがぶり返してしまうことを意味しています。

従って私たちは細胞を投与した後に専門の理学療法士や装具士と協力しリハビリやインソールなどを使って、その方の日常生活動作(歩く際の荷重のかけ方、正しい立ち方、ご家庭でのリハビリテーション)などの指導を一定期間行っております。再生医療における治療の成否はこの細胞投与後の地道な訓練に大きく左右してしまいます。

最後に

再生医療は大きな可能性秘めた治療ですが、まだまだ分からないことがたくさんあります。私たちも最初は手探りで行ってきた治療ですが、少しずつ色々なことが分かってきました。ヒザの痛みの原因は複雑で、その要因も長年に渡る日常生活動作にあること、そこも含めて指導することで初めて細胞治療の効果が最大限発揮出来ると考えています。膝の痛みでお悩みの患者様は大変多く、手術以外の治療方法の選択肢が少なく中々手術に踏み切れない患者様が多いのも事実です。再生医療はそういった人たちの一筋の光となるかもしれません。一度ぜひ当院でご相談頂ければ幸いです。

まずはご相談ください