変形性膝関節症の症状として痛み・腫れ・動かしにくいといった症状があります。
関節を形成する骨の表面には、クッションのような役割として軟骨があります。 関節包の中にある関節液は、関節の中に栄養を与えるとともに潤滑液として働きます。
肥満や加齢、過剰な運動の連続によって軟骨がすり減ってしまい骨への衝撃を吸収できなくなります。痛みや腫れを伴い、進行すると歩行が難しくなります。
病気や加齢などによって身体の一部が本来の機能を失ってしまう、もしくはその能力が著しく低下してしまった場合にご自身の細胞を用いて組織を修復し再生させる治療を再生医療と言います。現在日本においては再生医療新法のもとに医師の要件・安全性・妥当性が厳しく審査され、そこで適切と認められてはじめて治療を行うことが可能になります。当院は正式なプロセスを踏み厚生労働省に第二種再生医療等提供計画を提出し、計画番号を取得した医療施設です。
「間葉系幹細胞」は、骨、軟骨、脂肪細胞などいくつかの異なった組織や臓器に分化する能力があります。現在「間葉系幹細胞」は脂肪に最も多く含まれていることが様々な研究で分かっており、脂肪から取り出した「間葉系幹細胞」を培養し様々な病気の治療に用いることが出来るようになってきました。
当山美容形成外科では患者様から米粒2個程度の脂肪と血液を採取し、特殊な技術で5000万〜1億個程度まで患者様の幹細胞を増やします。その増やした幹細胞を様々な疾患の治療に使用することが可能です。
幹細胞には「homing(ホーミング)」と言われる特殊な能力があると言われています。これは細胞自体が自分の身体の傷んだ部分を察知してそこに集積する能力のことです。損傷部位へ集まった幹細胞はその部位の細胞へ分化します。
これまで膝関節の軟骨はタイヤと一緒で、使う事ですり減ってしまい再生することはないと考えられてきました。しかし最近の研究によって軟骨自体に幹細胞が存在し、本来はすり減った分だけ軟骨自身を再生している事が分かってきました。若くて細胞自体が元気な状態であればどんどん自分自身の軟骨を再生するのですが、加齢とともに細胞の機能が衰えてくることで軟骨を再生する事が出来なくなります。
変形性膝関節症の痛みの原因は炎症だと言われています。関節においては軟骨が再生出来なくなり、その厚みが失われると骨同士が互いにぶつかり合い炎症を引き起こします。それにより痛みが生じるのです。幹細胞には炎症を抑える効果があると言われています。
再生医療はこの幹細胞の軟骨を再生させる能力と関節包や滑膜の炎症を抑える効果の相乗作用により膝関節の痛みを抑え、膝関節本来の動きを取り戻すことができる可能性が高い治療です。
再生医療は大きな可能性秘めた治療ですが、まだまだ分からないことがたくさんあります。私たちも最初は手探りで行ってきた治療ですが、少しずつ色々なことが分かってきました。ヒザの痛みの原因は複雑で、その要因も長年に渡る日常生活動作にあること、そこも含めて指導することで初めて細胞治療の効果が最大限発揮出来ると考えています。膝の痛みでお悩みの患者様は大変多く、手術以外の治療方法の選択肢が少なく中々手術に踏み切れない患者様が多いのも事実です。再生医療はそういった人たちの一筋の光となるかもしれません。一度ぜひ当院でご相談頂ければ幸いです。