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豊胸術

 シリコンバッグの表面はスムーズタイプとテクスチャータイプがあります。スムーズタイプは表面が滑らかでテクスチャータイプと比べて大きなサイズを挿入することが出来ますが、マッサージの必要があり、術後に硬くなる可能性があります。テクスチャータイプは表面がザラザラしていて挿入後に移動しにくく、マッサージの必要がありません。又、術後に硬くなる可能性があまりありません。

豊胸術の新しいやり方

 筋肉下にプロテーゼを挿入するか、乳腺下が良いのかと分けるやり方以外に最近とみに増えているのが「Dual Planning」と云う手法です。これは乳房上方(頭部)を筋肉下、下方(尾部)を乳腺下にプロテーゼを入れるやり方です。「2層の利用」で両者の利点を取り入れて型の良い乳房になります。即ち上方は筋肉に包みソフトであり、下方に余裕が出来ると云う事になります。これは乳房下縁切開でしか成しえませんが、切開線も少々の工夫を加えます。乳房下縁切開を出来るだけ乳房下縁の溝に一致させると云うやり方なのです。

バッグの表面による種類

バッグの型

  1. ラウンド型 (丸いタイプ)
  2. ハイトップ型 (高さをラウンド型より高く底辺を低くしたもの)
  3. アシンメトリー型 (乳房外側に量を多くしたもの)
  4. アナトミカル型 [涙型] (乳房下縁の量を厚くして乳房上縁を薄くしているもの)

バッグを入れる層

  1. 乳腺下層
  2. 筋膜下層
  3. 大胸筋下層

脇からの切開では層の確認が難しい時があります。

切開線

  1. わき(腋窩)からの切開
  2. 乳房下縁からの切開
  3. 乳輪部(乳輪横切開と乳輪U字型切開)

バックの種類、乳房の型、入れる層に応じてそれぞれ利点と欠点を有します。

バッグのサイズと大きさ

  1. 各メーカーによって多少の違いがありますが、片側100㏄~500㏄まであり、20㏄位でサイズが分けられます。
  2. 100㏄でワンカップの大きさが増量されます。つまり200㏄のバッグを入れますとAサイズの女性がCサイズになります。
  3. 日本人では160㏄~300㏄までが一般的であり、200㏄前後のサイズを選ばれるのが普通でしょう。

悩み、不安を解消していただくために

 美容外科で乳房を取り扱う場合は多々あります。それは美しい乳房と言うのもを多くの人々が望んでいるからなのです。然し元来美しくあるべき乳房が小さかったり、変形があったりしたら当然女性として悩みは大きいものがあります。例え、衣服に隠れている乳房といえどもコンプレックスが生じます。また乳房は加齢や授乳などによって一番変化が起こるのも事実ですので、その為、その機能と共に形態的特徴を把握して美容外科的手術を行なうべきだと考えます。乳房の美的要素を改善させる目的は主に

  1. 豊胸術
  2. 乳房縮小術
  3. 乳頭肥大に対する手術(乳頭縮小術)
  4. 陥没乳頭手術

などがあります。この①~④の事項についてわかりやすく述べさせていただきます。

乳房の年齢別変化

 乳房は、私達の体のなかで一番変化しやすい組織です。下図から下段左側のように乳房は年令と共に変化の著しい大きな臓器です。又、女性の持つ特徴的組織ですので美容外科でも最大の関心をもって取り扱わねばならないでしょう。ここで挙げる「豊胸術」「乳房縮小術」「乳頭肥大」「陥没乳頭」以外にも分裂乳頭、副乳、男性の女性化乳房等々を当院では取り扱っております。多くの悩み、種々なる苦悩が患者さんにはあるのがわかります。その悩みを幾等かでも軽減させる為の御手伝いが出来ればと日頃から頑張っております。

豊胸術

 美しく豊かな乳房は、女性にとって最も関心の深いものがあります。乳房を大きくする、いわゆる豊胸術は、技術の進歩と相まって、近来多くの女性の要望が高まっており、また乳ガンなどで摘出された後の乳房再建にも応用されています。進歩の原因は、ひとえに乳房内に埋没する挿入物質の改良工夫による点が挙げられます。手術には、乳房内にシリコンバッグや食塩水バッグを挿入していくわけですが、バッグは100cc~500ccまであり、本人の皮膚の余裕つまりスペース、体格等に応じて選定したものを筋肉下や乳腺の下に挿入していくわけであります。現在多く用いられる三種類の切開線からなる手術法を紹介します。①腋窩部法(ワキの下)、②乳輪部法(乳首)、③乳房下部法(ブラジャー下縁)の切開線です。

乳房を大きくする手術(豊胸術)

 乳房を豊かにしたいと望まれている女性は多いものです。当院でも豊胸術は40年以上の経験があります。然し、反面手術を受ける前に大丈夫かしらと怖がったりしている女性がいることも事実です。そして週刊誌などでもいとも容易に豊胸術が出来ると宣伝されております。内容を把握すれば怖がる事もありませんが、さりとて容易であるとも云えないでしょう。それ故、当院では現在分かっている医学的範囲内の事を皆様方にお知らせしておきますので、十分なご理解のもとに手術をする、しないの選択をなされて下さい。

乳房を大きくする場合、乳房内に挿入するものは何が良いでしょうか

 現在考えられているものは①自分の組織(脂肪移植)、②生理食塩水バッグ、③シリコン系バッグの3つがあります。そして現在シリコンバッグの中でもコヒーシブシリコン、表面がザラザラしたテクスチャータイプを使用するのが一般的となってきております。

  1. 自分の組織(脂肪移植)
     自分のお腹やお尻から摂取(脂肪吸引)したものを乳房内に注入する方法ですが、移植脂肪が完全生着せねばなりませんので、少量づつしか移植できず、その為理想の大きさにするには何回もの手術を繰り返さねばなりません。また移植された脂肪が化膿する場合もあり、トラブルも多く現時点では一般的な方法とはなっておりません。
  2. 濃縮脂肪幹細胞移植
     これは最近、脚光をあびてきた脂肪移植です。脂肪のみでは欠点が多いのでその中に肝細胞を含ませて乳房を大きくしようとする術式です。当院でも数年前から研究、検討に入っております。
  3. 生理食塩水バッグ
     これはシリコンバッグに変わるものとして考案されたのですが、幾つかの欠点もあります。一つはバッグが破損した場合ペシャンコになり、胸が元に戻ってしまうという事です。濡れた水は生体内では安全ですが、突然破水すると折角苦労して大きくした乳房が小さくなってしまうのです。破損は稀に生じますので、再手術がすぐに必要となります。もうひとつの欠点はリプリングと称して、部分的に指で押さえたりすると作り上げた乳房がペコペコした感じを訴える時があります。私共の経験からすると生理食塩水よりシリコンバッグの方がリプリングがなく自然な型を出せると考えております。バッグの大きさは150~300cc以上まであり、出来上がりがDカップになることも可能です。
  4. シリコンバッグ
     シリコン製の大きな袋の中にシリコンのゲル状の物が入っております。シリコンはケイ素を含んだ合成樹脂で人体に対する異物反応も極めて少ないものです。米国では数年前乳癌や膠原病に対するシリコンの因果関係を指摘され、その結果整理食塩水バッグが流行しました。現在FDA(米国における厚生省)は乳癌や膠原病との因果関係を否定しております。但し、万が一化膿した場合はバッグを取り出さねばなりません。現在シリコンバッグは日本製がありませんので米国やヨーロッパから個人輸入しております。シリコンバッグにに関して、以前米国のマスコミで問題になった部分は解決されております。色々のタイプ、大きさがあり、年々改良されております。300cc(片側)ですと大変豊かになります。
  5. コヒーシブシリコン
     近年盛んに使用されているのが、フランス製や米国製のコヒーシブシリコンです。これは普通のシリコンより内容物が硬くなっており、バックをはさみで切っても容易にシリコン内容物が体内に流出しないようになっております。またシリコンバッグの表面がザラザラとなっている「テクスチャータイプ」の表面を要したバックが、後で述べるカプセル拘縮を起さないとされ当院では数年前から表面がザラザラタイプのテクスチャータイプと内容物がもれ出ることの少ないコヒーシブシリコンを使用し豊胸術を行なっております。

バッグを入れる切開線について

 テクスチャータイプのコヒーシブシリコンバッグを乳房内に挿入する場合3cm~4cm位の切開線が必要です。現在3ヵ所から挿入する方法があります。図1参照

  1. 腋窩(ワキの下)から挿入する場合
     この方法は一番傷が目立たない方法です。 しかし、再手術(後で述べます)やバッグの位置異常(乳房の上や下方に入る場合)が生じやすくなります。また大きなシリコンバッグを入れる時はザラザラタイプ(テクスチャー)は入りにくいので表面がザラザラしていないスムーズタイプのシリコンを入れると云うことになります。
  2. 乳輪部(乳首の所)から切開する方法
     乳輪から切開する方法にも二つのやり方があります。図2乳輪下端を U字型に切開する場合と乳輪を横断して切開する方法です。乳輪の小さい人や、ある程度乳房にふくらみのある方には適しておりませんが経産婦の方などには、この方法が良いでしょう。私はこの方法を美容外科学会で報告しました。
  3. 乳房下縁(ブラジャーの下縁)から挿入する場合
     一番やりやすくてポピュラーな方法だと思います。手術の傷は垂れている乳房や色の白い人などの場合はあまり目立ちません。その為、そのような方(やや下垂のある方や色白の方)は乳房下縁からの切開が良いでしょう。また再手術などにも適しております。(再手術の方法も以前、美容外科学会でシンポジストとして報告しております。この方法は出血が多い時、止血が可能であり、大きなバッグ例えば300cc以上でも挿入可能です。

術後の乳房の硬さについて

 乳房は軟らかいものであるのが本来です。然し、生理食塩水バッグやシリコンバッグは大変軟らかいものですが、生体内に入れると異物を包み込む作用が起こり、時として外から手を触れる時、硬く感じる場合があります。これを被膜拘縮(カプセル拘縮)と呼びます。これを防ぐ方法として筋肉(大胸筋)(図4)の下に入れたり、剥離範囲を広くします。術後マッサージなどフォローアップが必要となりますが再手術を要する場合もあります。最近では表面のザラザラタイプ、云わゆるテクスチャータイプをその為に使用する事が多くなりカプセル拘縮は少なくなっております。拘縮が発生したときの再手術は乳房下縁切開となります。

フォローアップ体制

 手術は術後のフォローが大切です。何年たっても面倒をみると云う姿勢が必要です。その為、術前の写真撮影、電子カルテの応用などの記録、2年に1回位の定期検診を行なっています。

施術費用

手術項目
料金(税込)
備考
豊胸術
乳房下縁切開
¥990,000
全身麻酔
形成外科学会ガイドライン認定施設認定医
脂肪注入豊胸術
¥1,430,000
全身麻酔

胸部レントゲン撮影

 バッグを入れた場合、レントゲンに映る場合があります。検診する医師にその旨お告げになる事が必要ですが、癌などの診断の妨げになるような事はありません。

未婚の女性

 未婚の女性の場合、傷跡が残ることや、硬くなる場合がある等々一応欠点もありますので、当院ではあまりお勧め致しておりません。職業柄必要のある方、等々の場合、相談に応じております。未成年者の場合は親の承諾等、しっかりした保護者が必要です。

乳癌検診

 乳癌検診は女性の義務のようになっており、早期発見で治る病気です。但し豊胸術後の乳癌検診はマンモグラフィーでは出来ません。その為、エコー検査やMRI検査など専門的知識を要する乳癌専門医との連携は必須です。

その他、婦人部の手術もしております

 小陰唇の肥大は結構悩みとなっている若い女性は多く、人に伝えないだけに人知れず苦しんでおります。当院では局所麻酔下に約30分(両側)の手術時間で行います。費用は10万~17万位の値段で、その後の通院は1回です。広膣の手術は2~3人の御子様をお産みになってからその後、膣が広がってしまった方などに行います。しっかりしなければならないのは膣の筋層を膣粘膜を剥がし左右からきつく縫合します。夫婦生活は1ヵ月位おつつしみ下さい。クリトリス包茎は皮の被さりが多い方に適応となります。汚れなどがたまりやすい方など一度御相談いただければと存じます。処女膜再生術は不幸にして暴力などで犯された方など、精神的なショックは隠す事が出来ません。残っている粘膜を丁寧に縫合して処女膜を作りあげます。

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